医療の注意点
医療行為の中には、避けられない危険があります。
全てを記載できませんが、ご了解いただきたいことを記載します。
食べ物や蜂に刺されたりして、ショックになることは、ご存知と思います。
薬でも、同じようなことが起こることがあります。
飲み薬、注射のいずれでも可能性はあります。
多いのは、抗生物質、麻酔薬です。
「アナフィラキシーショック」という状態で、
かゆみ、発疹、瞼や唇が腫れる、喉がイガイガする、息切れ、息苦しいなど
様々です。症状が重くなると、血圧が下がって、意識が朦朧となり、
生命に影響することがあります。
アレルギーの経験がある方は、原因物質を認識していただき、
体内に入れないようにしてください。
指先に棘を刺して、化膿した経験はあると思います。
医療行為として、注射を受けたとき、化膿することもあります。
特に関節内注射をして、関節内に化膿を起こすことがあります。
針を刺す前に、消毒をして注射を行いますが、感染を起こす可能性は
ゼロには、できません。
風邪気味など体調が悪いときは、避けた方がよいです。
糖尿病の既往のある方は、血糖コントロールが大切です。
血液検査を行うときに、注射針を血管に刺します。
血管の側には、神経も存在します。
針が神経に近づいても、響くことがあります。
神経に針が触れる、刺さる可能性もあります。
針を刺入し、しびれ、電気が走るような響き、痛みがありましたら、
慌てずに申し出てもらい、針を速やかに抜く対応が必要です。
捻挫や骨折・脱臼、腱損傷などで、副子(シーネ)固定を行うことがあります。
外傷部位は、経過で腫脹が出てきますので、圧迫されて
血行障害や神経障害、筋肉の障害が起こる可能性があります。
血行障害では、指先や足先に動脈血が行かないと、手足の色が白くなったり、
暗赤色になったりします。
筋肉の腫脹では、激痛があり、手足の動きも悪くなります。
→ この場合は、速やかに固定を解除します。
症状によっては、手術で筋膜切開が必要になることがあります。
静脈では、血栓ができて心臓に血液が戻れないと、手足がむくんできます。
「エコノミークラス症候群」という言葉を聞いたことがあると思います。
血栓が静脈内に流れ出ると、肺の血管に詰まることがあります。
比較的多い症状は、ふくらはぎの張り、痛み、足部のむくみです。
→ この場合は、静脈血栓があるかどうか、検査をします。
血栓があれば、血栓を溶かす治療を始めます。
血栓が剥がれて、肺に詰まると「肺塞栓」という状態で、
自覚症状として、息苦しい、冷汗、息を吸い込むときに胸痛があります。
めまいや欠神、意識障害がおこり、心停止になることもあります。
→ 自覚症状が出たときは、迷わず救急車の要請をしてください。
肥満、脂質代謝異常(高脂血症)、糖尿病、ガン、経口避妊薬、喫煙習慣、
寝たきり、長時間の座位、ギプス固定などが、危険因子です。
災害での避難所生活でも起こりえます。
予防としては、
・固定した場所を少し挙上する。
・手指、足指、肘、膝など、固定をされていないところは、よく動かす。
・こまめに水分補給をする。 等があります。